AI が 1 日で作った、しゃべる英単語カード:SFC カートリッジに 1999 語と例文の音声を入れるには
今回のテーマは教育ゲームです。英語を学んでいる 12 歳以下の子ども向けの単語カードで、起動すると 30 枚のカードに挑戦できます。カードごとに単語を見て発音を聞き、「知っている」か「まだ」かを答えると、カードが裏返って意味と例文が出ます。
できあがったのは 8 MB のスーパーファミコン用カートリッジです。1999 語それぞれに発音記号(KK 式)、品詞、意味、例文と訳があり、単語も例文も読み上げます。最初の依頼から遊べるまで、AI が実際に作業した時間は約 100 分、API 料金に換算して約 29 ドルでした。
遊び方


- 表: 単語と発音記号。同時に単語を読み上げます。知っていれば A か →、まだなら B か ←、X でもう一度聞けます。
- 裏: 品詞、意味、例文と訳。例文を読み上げます。X で単語、Y で例文、A で次へ。
- 結果: 知っていた枚数とまだの枚数、覚え直す単語。
あえてテストにはしていません。選択問題も制限時間もなく、子どもが自分で知っているかを判断し、裏返して確かめます。表には単語と音だけなので、まず意味を思い出そうとし、裏で答えを見ます。例文は 9 語以内の簡単な文型です。
AI への伝え方
ゲームは Claude Code(Claude Opus 5.5)で作りました。以下はユーザーの依頼です(少し整理し、中国語から訳しています)。コードは一行も書いていません。
小学生が英語を学ぶ単語カードゲームを作って。起動すると 30 語のカードに挑戦でき、 A か B(または十字キーの左右)で「知っている」「知らない」と答えるだけ。単語カードのように。 まず、小学校卒業までによく必要になる英単語を 2000 語用意して、それぞれ例文も付けて。 単語に KK 式の発音記号は付けられる?
AI はまず単語表を用意し、次にゲームの作り方(画面構成、フォント、操作)を提案しました。ユーザーの返事は「いいよ」。最初の依頼から約 35 分で、最初の版が遊べるようになりました。試したあと、ユーザーはこう続けました。
いい感じ!単語の音声と、例文の読み上げも付けられる?
素材はどうやって手に入れたか
教育ゲームは内容が正しくなければなりません。そこで素材ごとに「どこから来て、使ってよいか」を先に決めました。
| 素材 | 出典 | 方法 |
|---|---|---|
| 2000 語の単語表 | 公開されている英語のカリキュラムの付録(基礎 2000 語) | AI が macOS の PDFKit で PDF から文字を取り出し、1999 項目に分解。37 のテーマ分類も残す |
| 発音記号 | CMU 発音辞書(BSD-2-Clause) | プログラムで KK 式に変換。AI に直接書かせない(覚え違いがあるため)。読みが複数ある語は、カードの意味に合う読みを選ぶ(read [rid]、live [lɪv]、wind [wɪnd]) |
| 意味・例文・難易度 | AI が作成 | 8 つのサブエージェントで並行処理して 3 分、そのあと数件を手で修正。子どもが使う前に、先生に一部を確認してもらうことをおすすめします |
| フォント | Cubic 11 ピクセルフォント(SIL OFL) | アウトラインから 1:1 でドット化。フォントにない 17 個の発音記号は、AI がその筆致に合わせて描いた |
| 背景 | プログラムで描画 | カード、影、上下の帯。タイルは 30 枚だけ |
| 音声 | Kokoro-82M(Apache-2.0)、ローカルで実行 | 1999 語と 1999 例文。3 プロセス並行で約 50 分。パソコン内蔵の音声は、ライセンスが個人の非商用利用に限られるため使っていない |
音声と発音記号が食い違うところ: 音声合成には独自の読み方があり、12 語がカードの発音記号と違いました。live を [laɪv]、close を [klos]、record を名詞の読みで読む、などです。AI が全語を比較し、この 12 語は発音記号から直接読ませて、子どもが聞く音とカードの表記をそろえました。
8 MB の上限をどう越えたか
すべての音声を測ると、問題ははっきりしていました。
| 長さ | カートリッジに必要な容量 | |
|---|---|---|
| 1999 語 | 約 21 分 | 約 6.5 MB(9.5 kHz) |
| 1999 例文 | 約 47 分 | さらに 25 MB 以上 |
スーパーファミコンの CPU が扱えるのは 16 MB で、その半分は RAM とハードウェアのレジスターに使われます。そのため、カートリッジから直接読めるのは最大約 8 MB です(ExHiROM 形式)。市販された最大のカートリッジでも 6 MB でした。単語は入りますが、例文は入りません。
三つの方法を比べました。
- 8 MB を超えるバンク切り替えカートリッジ。 プログラムが読む部分を切り替える回路がカートリッジに必要です。共通の規格がないので、実機でもフラッシュカートでも動かない独自形式になります。
- MSU-1。 フラッシュカートが対応している拡張で、別のデータファイルをゲームが 1 バイトずつ読みます。可能ですが、ファイルは 25 MB、音質は 16 kHz にとどまります。
- HD パック(ユーザーの提案)。 プレイヤーはすでに HD パックでゲームの絵を高解像度の画像に置き換えられます。音も同じようにできるはずです。
三つめを選びました。
- カートリッジには「合図」: 例文ごとに、18 バイトのほぼ無音の小さなサンプルを入れます。例文ごとに中身が違います。
- パックには「中身」: その合図のハッシュ値をキーにして、例文の録音(MP3、24 kHz)を入れます。
- プレイヤーが結びつける: ゲームが音源チップにサンプルを鳴らさせるたびに、プレイヤーはそのハッシュ値を計算します。パックにそのキーがあれば、代わりにパックの録音を鳴らします。音程、エンベロープ、音量はゲームの設定のまま、長さは録音に合わせます。だから 18 バイトの合図が 3 秒の例文になります。
ROM はそのまま、実機で動く 8 MB のカートリッジで、単語はすべて入っています。23 MB のパックを加えると例文も読み上げ、単語も 24 kHz のはっきりした録音になります。パックがなければ例文は無音で、ほかはすべて動きます。
この考え方は音声に限りません。ゲームが合図を出し、パックが豊かな中身を差し出す。 同じ仕組みで、単語ごとにイラストや写真を出したり(タイルの置き換え)、録音した音楽を流したり(曲の始まりにゲームが専用の合図サンプルを鳴らす)できます。HD サウンドはどのゲームにも使えるプレイヤーの機能です。ホームの AI でゲームの画質を上げる をご覧ください。
かかった費用
| ユーザーのメッセージ | 約 10 件:依頼、方針の確認、音声の追加、方法の選択、問題の報告。コードはなし |
| AI の作業時間 | 約 100 分:データとゲーム 34 分、音声と修正 66 分 |
| ローカルの計算 | 読み上げ約 50 分(M シリーズ Mac の CPU。GPU もクラウドも不要) |
| モデル | Claude Opus 5.5。メインのセッションと 8 つのサブエージェントで計 269 回の応答 |
| AI の出力トークン | 44 万 |
| 処理したトークンの合計 | 約 7000 万(ほとんどがキャッシュ読み取り) |
| 推定費用 | 約 29 ドル(2026 年 11 月の Anthropic API 料金で換算。サブスクリプションは計算方法が異なります) |
| そのほかの費用 | なし:単語表、発音辞書、フォント、音声モデルはすべて公開またはオープンライセンス |
費用の半分近くはキャッシュ読み取りです。この会話は同じ日の別の作業の続きだったので、毎回長いコンテキストを持っていました。新しいセッションで作れば、もう少し安くなります。
先生と保護者の方へ
- 意味、例文、難易度は AI が書いたものです。形式と長さを確認し、何件か直しましたが、子どもが使う前に一部を確認してください。
- カードの発音記号は KK 式(アメリカ英語)です。IPA にするには、変換プログラムといくつかの字形を変えるだけです。
- 意味とメニューは繁体字中国語です。文字はすべてレイアウトのプログラムから来るので、ほかの言語にするのは文字の差し替えだけです。
- 例文の音声は、aixsfc プレイヤーとパックの組み合わせで聞けます。実機やほかのプレイヤーでは単語だけを読みます。
AI で自分のゲームを作るには、空のフォルダーで npx https://aixsfc.app/skill/aixsfc.tgz を実行して claude を起動します。詳しくはホームへ。
出典とライセンス
- 単語表:英語カリキュラムの付録にある基礎 2000 語(公開文書)。
- 発音:CMU Pronouncing Dictionary、BSD-2-Clause。
- フォント:Cubic 11(俐方体11号)、ACh-K、SIL Open Font License 1.1。
- 音声:Kokoro-82M(hexgrad)、Apache-2.0。
- プログラム、発音記号の字形、背景:このゲームのためにゼロから作成。本作は任天堂とは関係がなく、承認も受けていません。